日本航空の赤坂祐二社長は10日の記者会見で、利払いや税引きなどの影響を除いた損益(EBITDA)が11月に黒字基調に転じたと発表した。新型コロナウイルスによる業績低迷が続く中で「国内線が回復し、明るい兆しが出てきた」と述べた。また、令和4年度は見送った客室乗務員らの新卒採用を5年度入社から再開する方針も明かした。 赤坂氏によると、国内線旅客需要は第3四半期(10~12月)の現時点で、「想定を若干下回っているくらい」と説明。ただ、着実に回復傾向にあり、新型コロナの新しい変異株「オミクロン株」についても「全く影響はない」としている。 一方、国際線への影響は「2月までは厳しいかもしれないが、それ以降は回復が始まると考えている」とし、年度末の需要予測は修正しない構えだ。 また、日航は採用抑制や定年退職などにより、従業員を2年度末の約3万6千人から2年間で3万3500人に減らす計画を進めている。だが、今後は需要回復に伴う人員不足が予測されるとし、赤坂氏は「2023(令和5)年度に向けた採用が始まる中で、オミクロン株などの影響を見極めながら再開を考えたい」と語った。